お部屋探しに便利なインターネット。不動産会社に行かずとも、自宅で簡単に物件情報を集めたり、比較したりできて、本当に便利です。
たくさんの物件を見ていると、「あっ、この物件条件もいいし、家賃も安い!」なんていう掘り出し物物件に出会うこともあります。早速不動産会社に電話をして内見の予約を入れたいところですが・・・ちょっと待ってください。もしかしたらそれ、おとり物件かもしれないですよ!
おとり物件って?
そもそも、おとり物件とは何なのでしょうか?
「釣り物件」などと呼ばれることもありますが、要は物件情報には載っていても、実際には存在しない架空の物件のことをいいます。部屋自体が存在しないわけではなく、家賃や間取などの条件が違っていたり、すでに入居者が決まっている部屋を空き物件として載せていたりします。
どうしてこのようなおとり物件があるのかというと、それは不動産会社が成約率を上げたいからなんです。成約率を上げるためには、まず来店してもらわなければなりません。来店してくれるお客さんや問い合わせの数を増やすために、条件のいい「おとり物件」を使って、お客さんの注目を引き付けるわけですね。
来店してもらえれば、あとはお客さんの希望を聞き出し、それに近い物件を次々と紹介してなんとか成約に持ち込もうとします。
おとり物件を見分ける4つのポイント
では、おとり物件はどうやって見分ければいいのか、そのポイントを4つにわけて説明します。
1.やたらと条件がいい
他の物件と比べて明らかに条件が良すぎるのは、要注意です。
インターネットで広く情報は共有されているので、条件と家賃のバランスというのは、ある程度の相場に落ち着きます。家賃に対して明らかに条件が良ければ、それはおとり物件の可能性があります。
2.もう決まったと言われた
好条件の物件を見つけ、急いで問い合わせの電話をしてみると「あ~、その物件はさっき決まってしまいました。でも、他に同じような条件の物件があるのでご紹介しますよ」と言って来店をすすめてきたら、ほぼ確実におとり物件ですね。
電話口でこう答えてくれればまだいい方で、来店してはじめて目的の物件は決まったと知らされることも多いです。
3.定期借家契約になっている
通常の物件は契約期間が満了しても契約の更新が可能ですが、定期借家契約の場合は一定期間が過ぎると解約しなければなりません。定期借家契約については知っておきたい事故物件を見分ける4つのポイントでも紹介しましたね。
来店して説明を聞いているうちに定期借地契約の話が出てきて、更新できないなら別の物件に・・・という流れで目的の物件とは違う物件をすすめられるケースがあります。
4.現地待ち合わせが出来ない
不動産会社に立ち寄る時間も節約でき、事前に周囲の環境も見られる現地待ち合わせ。もし不動産会社から「来店しないと教えられない」などと言われたら、それもおとり物件かもしれません。
「大家さんから現地待ち合わせは禁止されている」などと言われることもあるようですが、現地待ち合わせを禁止する大家さんというのはほぼいません。これもおとり物件の可能性が高いですね。
では、どうすればいいの?
せっかくインターネットで好条件の物件を見つけても、「もしかしておとり物件?」と思うと、不動産会社に問い合わせをする気持ちが萎えるかもしれません。
でも、仮におとり物件に釣られて不動産会社に来店したとしても、気に入らない物件に無理やり契約させられるなんていうことは100パーセントありません。来店したお客さんの希望に出来るだけ沿った物件を紹介してくれます。
そもそもインターネットはお部屋探しの入口にしか過ぎません。大切なのは見つけた物件がおとり物件であるかどうかよりも、最終的に気に入ったお部屋を借りられるかどうかです。そしてそのためには、どちらにしても不動産会社に来店し、いくつかの物件を見せてもらう必要があります。
あまり心配せずに、好条件の物件や気に入ったお部屋が見つかったら、どんどん不動産会社に問い合わせしてみてくださいネ。