日本といえば、世界の国々と比較してみても治安がいいというイメージがあります。少し前まで、日本では「水と安全はタダ」とも言われていました。
日本の治安、ホントにいいの?
わたしの知人でスウェーデン人とのハーフのコがいます。彼女は学生時代までスウェーデンで過ごし、社会人になってから日本で暮らしはじめたそうですが、「向こうとこっちと、どっちが暮らしやすい?」と尋ねると、意外にも「スウェーデン!」と即答されました。
理由を聞くと、日本人は政治意識が低く、税金の使われ方などがまったく不透明、自殺率がとても高い、そして治安が悪い、と答えてくれました。日本は治安のいい国だと思われていると思っていたので、少しびっくりしました(>_<)
個人的には日本に暮らしていて、特に治安が悪いと不安に感じたことはありませんが、実際のところ諸外国と比べてみてどうなんでしょうか? 少し古いですが、国ごとに犯罪発生率を比較したグラフがありました。
nippon.com
2005年で見てみると、日本は10パーセントを切って堂々2位。旅行ガイドなんかを見ていると、首都マドリッドの治安に不安があるように書かれていることが多いので、スペインが1位というのは意外な感じです。
治安はよくても不安は・・・
お友達が暮らしていたスウェーデンですが・・・16.1パーセントで14位ですね。ちょっとふるわない感じですが、他の調査ではこんなグラフも出ていました。
社会実情データ図録
グラフを見ると日本は犯罪率が低いわりに不安に感じている人は多いんですね。逆にスウェーデンを含む北欧の人たちはあまり不安を感じていないようです。アイスランドは決して犯罪率は低くないのに、不安率でみると断トツで低い感じです。米国の不安率が低いのも意外ですね。
犯罪率と、そこで暮らす人たちが実際に不安に感じるかどいかというのは、少し別のことのようです。例えば何か凶悪な犯罪が起きたとき、テレビや新聞・雑誌で繰り返し報道されることで、わたしたちは必要以上に不安に感じてしまうのかもしれません。テレビなんか、視聴者を引き付けるために、より過激でエクセントリックな表現の仕方をしてそうですよね!
犯罪の件数は減少傾向に
次は国内に目を移して、日本の犯罪件数の推移を見てみます。
平成26年版犯罪白書
棒グラフになっているのが、刑法犯の認知件数(警察が把握した犯罪の発生数)の推移になります。平成14年の約369万件をピークに、平成15年以降は犯罪の発生数が減っているのがわかります。
もう10年以上、日本の治安は毎年よくなっているんですね!
ストーカー犯罪は増加!
最後にストーカー犯罪についてみてみます。
平成26年版犯罪白書
う~ん・・・、全体の犯罪としては右肩下がりで減少しているのに、ストーカー犯罪は平成24、25年と続けて増加しているようです。もしかしたらストーカーという概念が一般化して、それまで隠れていた犯罪が表に現れてきたということなのかもしれません。
まとめ
数字で見てみると、やはり日本は諸外国と比べてみても治安のいい国と言えそうです。ただ、そのわりには不安に感じている人も多いというのも特徴です。
テレビや新聞・雑誌などマスコミの報道の仕方、日常でのわたしたちの話題の取り上げ方など、もう少し改善していったほうがいいのかもしれませんネ。